DTPオペレーターから転職するには?印刷業界から脱出するのにおすすめの業界

おはこんばんにちは。ミシマオコゼです。

DTPオペレーターという仕事は、デザインソフトを使っている割にクリエティブじゃないし、きついうえに給料も安い…。

最初は良くてもやっているうちにやりがいを見失ってしまう人も多いのではないでしょうか?

僕も大学を卒業後は印刷会社に入社し、5年ほどDTPオペレーターを経験しています。

はじめは覚えることも多く、仕事をしている感じがあって楽しかったのですが、続けるうちに違和感を覚えるようになりました。

そんな僕も、いまでは印刷業界から脱出してWEB業界で働いています。

今回は、転職前に感じていたことや転職する際に役立つDTPオペレーターのスキルについてお話したいと思います。

では、いってみましょう。

Contents

DTPオペレーターの将来性とは?

DTPオペレーターは、残念ながら将来性のある仕事ではないと言えます。

昨今のデジタル化の影響で、もはや印刷業界の縮小の流れは止めることができません。

本が売れなくなったことや印刷物の需要が減ったことも原因ですが、もっと根本的な部分にも原因があります。

実際に現場にいた僕としては、以下の2点がDTPオペレーターに将来性がない理由だと考えています。

・DTPスキルが特別なものではなくなった
・DTPはこれ以上成長が見込めない

それぞれ解説していきますね。

DTPスキルが特別なものではなくなった

DTPオペレーターの仕事はやり方さえ覚えてしまえば誰でもできてしまうので、特別なスキルは必要ありません。

多少の経験は必要になりますが、作業自体は一度覚えてしまえば誰でもできると言えます。

DTPオペレーターの仕事は、IllustratorやPhotoshop、InDesignといったデザインソフトを使っての制作がメインです。制作といっても、設計図に沿って組み立てるような仕事なので、単純作業になりがちです。

そのため、ソフトの進化やAIの発達で自動化され、仕事そのものが無くなってしまう可能性があります。

また、DTPが登場した頃は印刷知識に加えてソフトの操作ができる人材に需要がありました。しかし現在ではネットや書籍で手に入る知識で勉強ができてしまうので、希少性がなくなってしまいました。DTPデザインも、デザインを勉強する人の基礎教養の一部のような位置づけになっているので、もはや特別なスキルとは言い難いと言えます。

僕自身、単純作業に飽きてしまったことと、誰にでもできるということに気づいてしまったせいで、退職する頃にはやりがいも楽しさも感じることができなくなっていました。

DTPはこれ以上成長が見込めない

DTP業界の成長は行き詰まっており、これ以上の成長が見込めないといえます。

印刷物の減少によって、印刷技術の進歩が頭打ちになっていることが原因です。シルク印刷やラッピングカーの印刷など、いわゆる特殊印刷は生き残る可能性はありますが、それも機械化によって消えてしまうかもしれません。

また、印刷現場は職人気質の人が多く、変化を拒む人が多いのも成長を阻害する原因です。

既存の技術に固執しているのか、「印刷物の品質を高めていれば需要につながる」といった考え方が根強いです。実際には市場に合わせた変化やマーケティングは重要なのですが、受注産業であることに甘んじていた印刷会社は、これが苦手な会社がとても多いです。

単純に若い人が入ってこないことで業界全体が高齢化しているというのも、変化についていけない原因のひとつですね。

業績を伸ばしている印刷会社は需要にあった印刷物に対応しているか、印刷以外の事業に力を入れていることがほとんどです。

変化に対応できる印刷会社は残るでしょうが、業界そのものはこれ以上成長することはないでしょうね。

RPAによる印刷フローの自動化で仕事がなくなるかも

RPAとは「Robotic Process Automation」の略称で、機械で工程を自動化することです。

以下の図が、印刷工程です。

細かい作業を除いた超ざっくりとした図ですが、水色の部分がDTP現場での仕事になります。

企画やデザインは前段階で行い、印刷物の仕様はこの段階でほとんど決まってしまいます。そのためDTPでは、同じ作業の繰り返しになることが多く、単純作業になりがちです。また、レイアウトデザイン以外にも単純な文字の修正等もこの工程で行われます。

前項で印刷の制作現場は単純作業になりがちという話をしましたが、DTPオペレーターの仕事はまさにRPAの得意分野と言えます。

実際に印刷大手の凸版印刷では企業の作業フローをRPAによって自動化するシステムを開発しています。また、印刷会社を専門にRPAを導入するサービスを提供している会社も存在しています。

印刷現場で使われるAdobeのソフトにも、すでに自動化の機能が導入されつつあり、印刷現場でありがちな繰り返しの作業はどんどん自動化されていくでしょう。

RPAに限らず、いままで人力で作業していた単純作業は、AIなどの登場によってなくなっていくと考えられているのが世間一般での認識だと思います。

そのため、DTPオペレーターの仕事は自動化がしやすい領域でもあるので、近い将来なくなる可能性が非常に高いのです。

転職に活かせるDTPオペレーターのスキル

DTPオペレーターの仕事では転職に活かせるスキルが身につくことも大いにあります。

単体の知識だけでは転職には使えないこともありますが、プラスアルファで自分で勉強することで簡単に転職できるケースも数多くあります。

いまDTPオペレーターからの転職を考えている人は、単純作業だから他では通用しないと嘆く前に、まずは自分のスキルを棚卸ししてみれば、案外他社でも通用スキルを習得できていることもあります。

以下に挙げるのがDTPオペレーターをやっていて身につくスキルです。自分のスキルの棚卸しのために参考にしてみてください。

・印刷知識
・レイアウトデザイン
・Adobeソフトの操作
・スケジュール管理

印刷知識

印刷知識は、他の業界でも通用することがあります。

たとえば、ラッピングカーのような特殊印刷の場合、印刷するものが変わるだけで印刷知識がそのまま活かせることが大いにあります。

また、印刷の仕事ではデータの仕上がりがどうなるかイメージするのに経験が必要であるため、現場で実際に印刷物に触れていた経験も役に立つでしょう。

他にも、印刷物をデジタルに移行しようとしている最中の会社でも、既存の仕事がまだ紙媒体であることも多いため、デジタルだけでなく印刷の知識が役に立つ場合もあります。

どういった制作物を扱っているのかを把握することで、面接で有利に立ち回ることも可能でしょう。

レイアウトデザイン

DTPでは論理的にレイアウトする必要があるため、自然とレイアウトデザインが身につきます。

また、毎日多くの印刷物に触れることで、いいデザインと悪いデザインの判断もできるようになってくるでしょう。

レイアウトのセンスは、WEBデザインや資料作成など、あらゆる局面で役に立つので、直感的だけでなく論理的な部分を学ぶことで他業種にも活かすことができます。

Adobeソフトの操作

Adobeソフトの操作は、印刷以外の制作会社でも役に立ちます。

デザインに使用するソフトは操作だけでも覚えることが膨大なので、習得を投げ出してしまう人も少なくありません。

デザインが苦手だからDTPオペレーターをやっていたという人でも、全くできないわけではないので、業界によっては既存のデザインスキルでも通用することがあります。

僕の場合はもともとデザインの知識がないところからDTPオペレーターになったのですが、Webマーケティングの会社でもデザインソフトの知識は役に立ちました。

DTPの仕事をすることで操作やデザインの素地ができるので、自信を持ってアピールするといいでしょう。

スケジュール管理

DTPの現場は、常に膨大なタスクに追われているため、スケジュール管理能力が身につきます。

日々膨大な仕事を効率的にさばく必要があるうえに、納期に遅れてしまうと会社の信用を失ってしまうというプレッシャーあります。そのため、仕事をこなしているだけで自然とスケジュール管理やタスク管理ができるようになります。

僕自信もスケジュール管理とタスク管理は全くできないタイプだったのですが、長年勤めているうちに自然とできるようになっていました。

また、DTPでは画像やデザインデータといった数多くのデータを管理する必要があります。そのため、ファイルの整理整頓も仕事の中で身につきます。

スケジュール管理やタスク管理、ファイルの管理はどんな会社でも通用するスキルなので、これもアピールポイントになりえます。

DTPからの転職にはWEB業界がおすすめ!

DTPオペレーターからの転職に圧倒的におすすめできるのがWEB業界です。

一口にWEB業界と言っても、WEBを活用したサービスは世の中に溢れかえっており、もはやWEBが関係ない業界の方が少ないと言えるほど数多くの仕事があります。

そのなかでも特におすすめできる業界を以下にピックアップしました。

・WEBデザイン
・プログラマ・SE
・WEBマーケティング

ひとつずつ解説しますね。

WEBデザイン

WEBデザインは、DTPオペレーターから最も転職しやすい業界です。

DTP制作で使うIllustratorやPhotoshopといったソフトの知識や操作スキルはそのままWEBでも活かせます。また、DTPオペレーターが最も苦労するであろうフォントのスキルも大いに役立つでしょう。

また、印刷物の制作の際は、版面率や判読性、バランスといったユーザーにとってのみやすさを意識したデザインをすることが多いため、培ったセンスをそのままWEBページのレイアウトにも応用することができます。

SE・プログラマ

SEは、クライアントと接する機会のあるDTPデザイナーなどの転職先として向いているでしょう。

SEは大雑把な言い方をするとプログラムの設計図を考える人です。システム全体の設計以外にも、システムの試験やクライアントとの打ち合わせを行うのもSEの仕事です。

デザインの意図や印刷物として読みやすさを考える必要があるデザイナーであれば、経験を活かすことができるでしょう。

プログラマはSEが考えた設計に沿って実際にプログラムを書く仕事です。どちらかといえばDTPオペレーターに近い仕事で、スペシャリスト気質の強い仕事といえます。

システムの細部まで作り込んでいく仕事になるため、細かいところまで気づく感性や根気強くバグを修正する作業が多いため、DTPオペレーターをこなしてきた人であれば高い適性があるといえます。

WEBマーケティング

WEBマーケティング業界は、ネットを使って商品やサービスのプロモーションを行う業界です。

比較的新しい会社が多いため、印刷会社とはあまりにも文化が違いすぎて驚くかもしれません。

僕自身、現在WEBマーケティングの会社に勤めていて、最初の頃は会社の雰囲気のゆるさや納期に余裕があることに驚いてばかりでした。

作業環境やワークフローが整理されていないことも多いため、きっちりとした仕事をしてきたDTPオペレーターの仕事術が重宝されることもあるでしょう。

WEBマーケティングの仕事は頭を使うことが増えますが、その分作業自体は楽になります。

僕が印刷業界から脱出するときに使った転職サイトたち

以下に僕が印刷業界からおさらばしたときに利用したサイトを紹介します。

ざっくりとおすすめできるポイントと、実際に使ってみて良かったなと思ったところや正直めんどくせえなと思ったところをメリット・デメリットとして説明も入れてみました。

多少愚痴っぽいところはスルーして参考にしてみてください。

レバテックキャリア

レバテックキャリアは、ITに特化した求人サイトです。特に印刷業界からの転職者でも通用しやすいWEBディレクター、WEBマーケティングの求人が充実しています。

また、年収アップを狙える求人も多くあるため、いまの年収から落としたくない、キャリアアップを目指したいという人にもおすすめです。

印刷会社のスタッフに必要とされる、スピード感、正確さ、スケジュール管理能力をアピールできれば、WEB関連職に転職することは容易です。

僕もWEB系のスキルはからっきしでしたが、書類の通過率は5割程度あったので、転職活動中はDTPとWEBの相性の良さを感じていました。

いきなり業種を変えるのは不安かもしれませんが、印刷会社にしがみつくよりはまず相談してみることをおすすめします。

【メリット】

  • WEB・IT系の未経験者採用に特化している
  • 未経験からでもクリエイティブの経験があれば転職を狙える
  • 年収アップを狙える
【デメリット】

  • クリエイティブ職の経験がないと厳しい
  • レベルの高い求人が多い
  • 大手と比べると求人数が少ない
「レバテックキャリア」はこちらから

ウズキャリIT

ウズキャリITは、ITエンジニアやWEBデザイナーの求人に特化しており、印刷業界からの転職でも通用する求人が豊富です。

また、未経験からのIT転職を支援してくれる頼もしいサービスを提供しています。

Adobe系のソフトを使えれば、WEBデザイナーへの転職は比較的容易です。 WEB業界は基本的に人手不足なのでポテンシャルに期待されて採用される可能性が高いのが特徴です。

実際、僕もそこまでスキルのある方ではありませんでしたが、現在はWEBディレクターの仕事をしているので、制作現場での実務経験があればWEB系の制作現場でも十分に通用する可能性があります。

特にWEBディレクターやWEBマーケティングなどの職業はコミュニケーション能力が重視される傾向にあります。 スキルが無いからと言って諦めずに、まずはキャリアアドバイザーに相談してみるといいでしょう。

【メリット】

  • WEB・IT系の未経験者採用に特化している
  • ブラック企業を排除している
  • 学習コンテンツが充実している
【デメリット】

  • 29歳までの年齢制限がある
  • 大手と比べると求人数が少ない
  • 登録手続が面倒
 

30代でも諦めたくない人は「ウズウズカレッジ CCNAコース」へ

「ウズウズカレッジ CCNAコース」は未経験からインフラエンジニアを目指せるITスクールです。

インフラエンジニアとはネットワークやサーバといったITに欠かせない裏側のシステムを作る仕事で、DX(デジタルトランスフォーメーション)や5Gの普及が進むこれからの時代に欠かせない仕事です。

WEBデザインのような華やかさはありませんが知識と厳密な仕事が求められるため、ミスの許されない正確さや迅速な判断力を求められる印刷業界出身者に向いている仕事と言えます

スモールステップで確実に知識とスキルを身につけられるうえに、資格取得を目指すことができるので安心です。

ITスクールなので残念ながら無料ではありませんが、未経験からIT業界を目指したい人にとってはおすすめできるサービスです。

「ウズウズカレッジCCNAコース」はこちらから

DODA

DODAは年収が高い求人が多く、求人数が多いのも特徴です。

僕自身、一番使用頻度が高い求人サイトで、過去に2社、dodaから応募した会社から内定をもらっています。

求人ページの情報が充実していてテキストも読みやすいので、会社の雰囲気や仕事内容について個人的には一番わかりやすいサイトだと思っています。

オシャレな雰囲気の求人が多く、実際面接に行ってみると本当にオシャレな会社が多いです。

クリエイティブな環境で働きたい人にはおすすめですね。

【メリット】

  • 年収が高い求人が多い
  • レベルが高い仕事が多い
  • エージェントがマメに連絡をくれる
  • 積極的に面接などのサポートをしてくれる
【デメリット】

  • 自分のレベルに合わないハイレベルな求人を紹介されることがある
  • 電話の連絡が多めでめんどくさい
  • メールが地味に使いづらい

リクナビNEXT

言わずとしれたリクルートが運営している転職サイトですね。

大手の求人が多く、サイト内のコンテンツも充実しているので、転職の役に立つことは間違いありません。

求人数も非常に豊富で、ときどきすごくマイナーで優良な求人も出ていたりするので、欠かさずチェックしていました。

個人的には一番多く出版系の求人が掲載されている印象がありますね。実際リクナビ経由で出版社の面接に3回ほど行きました。

【メリット】

  • 求人数が多い
  • 出版系の求人が多い
  • 年収高めの求人が多い
【デメリット】

  • 基本的にサポートがない
  • たまになかなかのブラック求人がある

おわりに

この記事では、DTPオペレーターから転職したいと考えている人に向けて役に立つことを書きました。

現在、DTPオペレーターをやっていて、「業界の将来性が心配」とか「正直転職したい」と思っているのであれば、まずは自分の会社が大丈夫かどうかを考えてみてください。

どうしても転職以外に道がないと考えるのであれば、スキルの棚卸しをしてみて、自分に何ができるかの整理をしてみるといいでしょう。

この記事を参考に、転職を成功させてみてくださいね。

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