印刷業界にお勤めの皆さん、お疲れさまです。
今日も残業大変でしたか?仕事量は増えても給料は増えてないのではないでしょうか?
そういえば僕が印刷会社を辞めるトリガーになったのも、みなし残業にして残業代を固定にすることが決まったからでした。
DTPオペレーターを辞めようと決めたのはいいものの、次のキャリアをどうしようか悩みますよね。
とはいえ、DTPのスキルだけでは正直なところ転職は難しいのが現状です。見切り発車で辞めても、また印刷会社にもどってしまうのが関の山です。
僕の場合はなんとかWEB業界に転職できましたが、スキルがなかったこともあり転職活動中は相当苦労しました。
僕の経験を踏まえて、この記事ではDTPオペレーターから転職する前に身につけるべきスキルについてご紹介します。
その前にまずはDTPオペレータの将来性についてお話したいと思います。
Contents
DTPオペレーターに将来性はある?

残念ながらDTPオペレーターという仕事に将来性はありません。スピード感がなく、情報媒体としては時代遅れということはもちろんですが、それ以外にもこの先伸びない要素がたくさんあります。
まずは将来性がない要因を以下に挙げてみますね。
- 電子化によって印刷の仕事が減っている
- 単純作業が多いのでAIに奪われる
- 色校など物理的な作業が多いのでリモートワークが難しい
ではそれぞれ解説していきますね。
電子化によって印刷の仕事が減っている

電子書籍が一気に普及した2010年、いわゆる電子書籍元年から国内の印刷市場の縮小は著しいものがあります。
2007年には7兆1,417億円あった市場規模が、2017年には5兆2,378億円に。10年間で2兆円近く減少していることになります。
この流れはもはや止められるものではなく、実際に大日本印刷や凸版印刷といった業界のトップ企業は印刷以外の分野に事業を拡大する方針に切り替えています。
さらには、2018年にはコミックスの売上では、電子版が紙を上回っています。
また、電子書籍はSNSやYoutubeとの親和性も高く、マーケティングの観点から見ても購買に繋げやすいという利点もあります。
もっといえば、物質的・人的なコストも紙より圧倒的に安いうえに、情報媒体としてのスピードも圧倒的に早いです。
紙媒体が完全になくなることはないと思いますが、今後この力関係が逆転することはないでしょう。
データ出典
https://www.jfpi.or.jp/topics_detail6/id=77
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1802/26/news080.html
単純作業が多いのでAIに奪われる

DTPオペレーターの仕事はほぼ全てが単純作業です。
ときどき簡単なデザインをすることはありますが、基本的には改定に伴う文字の修正だとか、仕様書通りに紙面を組み立てるといった作業しかしません。
仕様書通りに作る作業は、ソフトの使い方さえ分かれば誰でもできてしまう上に、数値を入力するだけの作業が多いため自動化に適しています。
また、文字修正に関しては目視で作業しなければならない場合も多いですが、この作業がなくなるのも時間の問題でしょう。
実際にAdobe Acrobatというソフトでは、文章の相違点を比較する機能が搭載されており、この機能がさらに進化すれば、いずれは修正まで自動化されることが考えられます。
そしてゆくゆくは単純作業はAIが行うようになり、DTPオペレーターという職業は消滅するでしょう。
色校など物理的な作業が多いのでリモートワークが難しい

DTPでは印刷工場以外にも印刷機があり、大型のインクジェットプリンタを使用して試し刷りを行います。細かい説明は省きますが、DTPオペレーターが実際に印刷物を目視で確認するという工程が必要になります。
また、実際の印刷機を使ってインクの発色を確認する「色校正」という工程も存在します。
実際に紙を見て確認する作業が必要になるため、リモートワークのような働き方が難しいという側面があります。
見本をバイク便で輸送して自宅に送ってもらうという手段もあるかもしれませんが、時間的にもコスト的にも現実的ではありません。
そのため、今回の新型コロナウイルスのような未曾有な災害が起きたときにとても脆弱な産業という側面もあります。
物理的な制約をなくすことができないため、情報を扱う産業であるにも関わらず新しい働き方に対応できないのです。
転職前に身に着けたほうが良いスキル

DTPオペレーターには、「速く正確な仕事ができる」ことや「修羅場をくぐってきた精神力」など、普通に働いているだけで強みが身につきます。
そのため、プラスアルファでスキルを身につければ転職に有利になります。
デザイン操作のスキルはすでにあると思うので、それを強化するもよし。WEBデザインやプログラミングといった新しいスキルを身につけるのも有効でしょう。
どんな道を選ぶにしろ、自分の適性にあったものを選び、資格やスキルを身につけるといいでしょう。
では以下に具体的に身に着けたほうが良いスキルをご紹介します。
デザインスキル

DTPオペレーターはデザインができない人やデザイナーになれなかった人がなる職業と言われています。
僕の場合は、デザインに関してド素人のところからDTPオペレーターになり、デザインのことをよくわからないまま5年ほど続けていたので、デザインができなくてもできる仕事というのは確かだと思います。
また、専門学校などを経てDTPオペレーターになった人はすでにある程度のデザインスキルがあるかもしれませんが、転職したいと思ったらそれを他の業界で求められるデザインができるレベルまで高める必要があります。
DTPオペレーターとしての経験は面接の際も評価されやすく、有利に働くことが多いですが、やはり自分の作品がなければレベルがバレてしまい、転職成功には結びつきません。
もしいまポートフォリオすら作れない程度のスキルしかないのであれば、今一度デザインを学びなおしたほうがいいでしょう。
Microsoft Officeのスキル

Officeはどこの会社でも多用します。特にエクセルは大人気です。資料作成にもデータ管理にも大活躍なので、ある程度エクセルを使えるようになっておけばどこの会社でも重宝されます。
かくいう僕もWEB系の会社で働いていますが、みんなエクセル大好きです。僕も大好きです。なんなら書類全部エクセルで統一してほしいくらいです。
他にもパワーポイントもビジュアル的な資料を作る際に大活躍します。DTPで培ったレイアウトスキルを活かしてきれいな資料をつくるだけで大変ありがたがれます。
WEBスキル

プログラミングやWEBデザインのスキルに限らず、WEBスキルは身につけておいたほうがいいでしょう。
なかでもWEBマーケティングについて学ぶのがおすすめです。WEBの市場について学ぶことで、現場のスピード感や相場感覚を身につけることができると有利になります。
例えば僕の場合は、WEBライターの仕事を通してSEOのスキルを身に着けました。SEOは非常に移り変わりが速く、常に研究し続けなければ生き残れないという厳しさがあるため、現在のWEBディレクターの仕事にも経験が生きています。
スキルの身につけ方とは

では実際にスキルを身につけるにはどうしたらいいかというと、以下の方法が挙げられます。
- 独学で身につける
- スクールで学ぶ
- 実際に働く
上記の方法が最も確実でしょう。僕の場合はじっくり勉強できるタイプではなかったため、DTPにしてもWEBにしても現場に飛び込んでから学んできました。
このやり方はおすすめできないので、やはり転職前にはしっかり勉強したうえで、体系的にスキルを習得したほうがいいでしょう。
勉強が得意な人は独学でもいいと思いますが、自分ひとりで学ぶ自信がない人はスクールを利用してきちんとカリキュラムに沿って学ぶのがベストです。
また、独学で学ぶ場合はWEB上のサービスを利用すれば気軽に実践的なスキルをみにつけることができます。
つぎに、学習のために利用したいサービスをご紹介していきます。
独学で身につけるならオンライン学習サービスの「Udemy」がおすすめ

Udemyでは、デザインからプログラミング、マーケティングに至るまで、非常に多くの講座をオンライン上で受講することができます。
自分の欲しいスキルだけをピンポイントに受講することができるため、時間を無駄にすることなく学習に取り組むことができるでしょう。
また、それぞれのサービスは買い切りになっており、利用期限がないため、自分のペースで好きなときに勉強できるのも大きな特徴です。
WEBデザイナーになりたい人のための【WEBデザイン入門講座】
クラウドソーシングを利用して実際に働いてみる
すぐに転職することは無理でも、副業ならば始めるハードルは高くありません。
副業の場合は実力主義によるところが大きく、仕事を取れるまでにそれなりに苦労しますが、転職ほどのリスクがないため腕試しには最適です。
また、仕事を勝ち取る過程で、営業能力や交渉能力も身につくため、実際に働きながらスキルを身に着けたいという人には多くの恩恵があるでしょう。
以下は、僕も実際に使ったことがあるクラウドソーシングサービスです。
個人的にはランサーズが最もUIがスッキリしていて使いやすいのでおすすめです。あくまで体感ですが、案件の取りやすさでいえばクラウドワークスのほうが楽でした。
サグーワークスはライター案件が多いので、デザインがやりたい人には不向きなので気をつけましょう。
実際に使ってみて、好みのものを見つけてみましょうね。
実際に印刷会社からの転職に利用した転職サイト

DTPオペレーターのスキルにプラスアルファなにかを身につけると転職では非常に有利になります。そうでなくともスキルを見直してみれば今すぐ転職できるレベルに達していることもあるでしょう。
僕は今までに5回ほど転職していて大手の転職サイトすべてで内定を獲得したことがあるので、不本意ながら転職サイトの使い方には精通しています。それを踏まえておすすめのサイトを厳選してみました。
どのサイトにもメリット・デメリットがあるのでそれぞれ比較して参考にしてみてください。
ウズキャリIT

ウズキャリITは、ITエンジニアやWEBデザイナーの求人に特化しており、印刷業界からの転職でも通用する求人が豊富です。
また、未経験からのIT転職を支援してくれる頼もしいサービスを提供しています。
Adobe系のソフトを使えれば、WEBデザイナーへの転職は比較的容易です。 WEB業界は基本的に人手不足なのでポテンシャルに期待されて採用される可能性が高いのが特徴です。
実際、僕もそこまでスキルのある方ではありませんでしたが、現在はWEBディレクターの仕事をしているので、制作現場での実務経験があればWEB系の制作現場でも十分に通用する可能性があります。
特にWEBディレクターやWEBマーケティングなどの職業はコミュニケーション能力が重視される傾向にあります。 スキルが無いからと言って諦めずに、まずはキャリアアドバイザーに相談してみるといいでしょう。
- WEB・IT系の未経験者採用に特化している
- ブラック企業を排除している
- 学習コンテンツが充実している
- 29歳までの年齢制限がある
- 大手と比べると求人数が少ない
- 登録手続が面倒
30代でも諦めたくない人は「ウズウズカレッジ CCNAコース」へ

「ウズウズカレッジ CCNAコース」は未経験からインフラエンジニアを目指せるITスクールです。
インフラエンジニアとはネットワークやサーバといったITに欠かせない裏側のシステムを作る仕事で、DX(デジタルトランスフォーメーション)や5Gの普及が進むこれからの時代に欠かせない仕事です。
WEBデザインのような華やかさはありませんが知識と厳密な仕事が求められるため、ミスの許されない正確さや迅速な判断力を求められる印刷業界出身者に向いている仕事と言えます
スモールステップで確実に知識とスキルを身につけられるうえに、資格取得を目指すことができるので安心です。
ITスクールなので残念ながら無料ではありませんが、未経験からIT業界を目指したい人にとってはおすすめできるサービスです。
「ウズウズカレッジCCNAコース」はこちらから
DODA

DODAは年収が高い求人が多く、求人数が多いのも特徴です。
僕自身、一番使用頻度が高い求人サイトで、過去に2社、dodaから応募した会社から内定をもらっています。
求人ページの情報が充実していてテキストも読みやすいので、会社の雰囲気や仕事内容について個人的には一番わかりやすいサイトだと思っています。
オシャレな雰囲気の求人が多く、実際面接に行ってみると本当にオシャレな会社が多いです。
クリエイティブな環境で働きたい人にはおすすめですね。
- 年収が高い求人が多い
- レベルが高い仕事が多い
- エージェントがマメに連絡をくれる
- 積極的に面接などのサポートをしてくれる
- 自分のレベルに合わないハイレベルな求人を紹介されることがある
- 電話の連絡が多めでめんどくさい
- メールが地味に使いづらい
リクナビNEXT

言わずとしれたリクルートが運営している転職サイトですね。
大手の求人が多く、サイト内のコンテンツも充実しているので、転職の役に立つことは間違いありません。
求人数も非常に豊富で、ときどきすごくマイナーで優良な求人も出ていたりするので、欠かさずチェックしていました。
個人的には一番多く出版系の求人が掲載されている印象がありますね。実際リクナビ経由で出版社の面接に3回ほど行きました。
- 求人数が多い
- 出版系の求人が多い
- 年収高めの求人が多い
- 基本的にサポートがない
- たまになかなかのブラック求人がある
まとめ:転職するならWEB業界が断然おすすめ
印刷業界の仕事は面白さもありますが、業界全体が下がる一方なので、よほど体力のある会社でなければこの先職場環境の改善は難しいでしょう。
市場の将来性や、これから先自分自身が生き残るために必要なスキルについて考えると、やはりWEB業界がおすすめです。
僕自身、WEBの分野に転職して圧倒的に仕事がやりやすくなりましたし、それ以外の人間関係や私生活についても好転しましたので、今の環境に不満があって抜け出したいと思っている人の希望になれば幸いです。
この記事を参考に、よい転職ができることを願っています。
コメントを残す