DTPオペレーターからWEB業界に転職するには?転職の経緯や転職後の変化をご紹介

デザイン関係の仕事に憧れてDTPオペレーターになった人、クリエイティブな仕事に憧れてDTP業界に入った人、実際に働いてみてどうでしたか?

「単純作業がメイン」「イメージしていたよりも泥臭い」のように、イメージと違った人と思った人もいるでしょう。

僕も実際にデザインやクリエイティブな仕事がしたくて以前はDTPオペレーターとして働いていました。

全くスキルがない状態でDTP業界に入ったので、最初のうちはデザインソフトの使い方や印刷知識を覚えることが楽しかったのですが、続けているうちにやりがいを見失ってしまいました。

そんな僕も、いまでは印刷業界から転職してWEB業界で働いています。

今回は、僕が実際に実践したDTP業界からWEB業界に転職した経験についてお話したいとおもいます。 それでは、いってみましょう。

DTPオペレーターから転職を決めたきっかけ

印刷の仕事は面白いこともあるし、とてもやりがいのある仕事です。その考えは今も変わりません。

ですが、待遇面や人間関係のいい職場に巡り会えるとは限りません。僕の場合は会社の人と合わなかったということが最大の転職理由ですが、それ以外にも早くこの業界から逃げ出さないと行けないと思う理由がありました。

僕が印刷業界から別の業界に転職しようと思った理由は主に下記の3つです。

・将来性を感じられなかった
・単純にきつい
・デザインの勉強にならない

それぞれ、当時思っていたことも踏まえて説明していきますね。

将来性を感じられなかった

別の記事でも書きましたが、僕は印刷業界には将来性があるとは思いません。

まず、第一に印刷会社で使うスキルは特別なものではありませんし、極論を言えば誰でもできる仕事です。 DTPオペレーターも、ソフトの使い方さえ覚えてしまえばできる仕事であると言えます。

実際僕もデザインの知識も殆どない未経験の状態からDTPオペレーターになりましたが、1年ほどで大体の仕事は覚えることができました。

DTPの現場は単純作業が多く、そのほとんどが自動化可能なものです。デザインの部分だけは人の手が必要ですが、DTPオペレーターの仕事で一番多いデータ修正の作業は、やり方さえ覚えてしまえば誰にでもできてしまいます。

これから先の時代、単純作業の部分はAIによって自動化され、デザイナーさえいれば業務が可能になるでしょう。

デザインはデザイン会社やクライアント先でも、デザイナーさえいれば制作できるので、印刷会社に残るのは紙を刷る機能だけになってしまうのではないでしょうか。そう考えると、DTPオペレーターは将来なくなってしまう仕事だといえます。

単純にきつい

DTPオペレーターの仕事は体力や気力の勝負になる場面が多くあります。

特に、入稿が夕方に集中することがほとんどのため、夕方から深夜にかけて仕事が集中します。さらには午前中にも仕事はあるため、朝から深夜までずっと仕事…どの現場でも残業は常態化しています。

改善しようにも、プリントパックやラクスルといった格安のネット印刷の登場によって価格崩壊しており、普通の印刷会社は薄利多売。利益が少ない分、たくさん仕事を撮ってくることでカバーしています。

つまり、仕事量は減らないけど単価も上がらない状態です。 そのため、現場には常に仕事が溢れており、業務改善に向けるエネルギーはほとんど皆無なのです。

僕も毎日、朝は8時半から、夜は23時ごろまで仕事をしていました。定時で帰れることはほぼありませんでした。

体力には自信があったのですが、辞める直前はほぼ毎日頭痛と原因不明の体調不良になっていました。

このように、DTPオペレーターは単純にきつい仕事なので、よっぽど印刷の仕事が好きでないと続けることができないといえるでしょう。

デザインスキルは身につかない

DTPオペレーターの仕事では、主にIllustratorやPhotoshop、InDesignといったデザインソフトを使用します。

また、制作物は文字だけの書籍だけでなく、デザイン性の高い雑誌やフライヤーなどがもあります。 そのため、ぱっと見はクリエイティブな仕事に思えるかもしれません。

ですが、実際のところはDTPオペレーターをやっていてもデザインスキルは身につかないと言い切れます。 どうしてかというと、DTPオペレーターはデザインを作らないからです。デザインソフトを使用するため、操作を覚えることはできますが、それだけです。

もともとデザインを勉強してDTPの道に進んだのならばまだしも、僕のようにデザインができるようになることを期待して働き始めた人にとっては期待はずれになってしまうでしょう。仕事外で勉強しようにも、毎日残業続きでヘトヘトなので、家に帰っても勉強する気力はほとんど残りません。

DTPオペレーターはデザインする仕事をしたいと思ったときに未経験からでも始めやすい職業です。 しかし、本当にデザインを仕事にしたいと思ったら、まずは数年かけてきちんとデザインを学んだほうがいいでしょう。 そして、DTPオペレーターになってもデザインスキルを活かせる場面はほとんどないので、DTPオペレーターになることだけはおすすめしません。

DTPからWEBへ。転職前後の変化

僕はDTPオペレーターとして印刷会社で6年ほど働いた経験があります。

全くの未経験から始めた仕事だったので、最初のうちは覚えることもたくさんあり、また、仕事も潤沢にあったので、毎日充実していると感じることができました。

しかし、実際には何年もほとんど変化しない仕事内容、職場の体質などに飽きてしまって、辞める間際にはほとんど仕事に対する情熱を失ってしまっていました。

この項目では、その他にも転職前後の状況を詳しく説明していきたいと思います。

DTPオペレーターから転職する前の状況

まずはじめに、DTPオペレーターとして働いていた頃はどんな環境だったのか、まとめてみると下記のような感じでした。

・毎日最低3時間の残業があった
・残業を強制する雰囲気がある、残業しないと陰口を言われる
・時間に厳しく、毎日納期に追われている
・形式張っていて無駄な作業が多い

一番きつかったのは残業が多いことですね。おそらくどこの印刷会社でも共通していることだと思います。

なぜかというと、印刷業界は基本的に薄利多売、単価が低いので仕事量を増やさないと利益が出ない状態だからです。

あまりにも残業だらけのため、現場には「早く帰る人は悪」のような雰囲気が漂っていました。

また、仕事量が多いだけでなく、短納期も特徴です。毎日納期に追われて、日付を跨ぐこともよくありました。

そしてハンコや書類が多く、必要ない作業が多いことも特徴です。時間がないのにやることも多く、効率が悪いため常にピリピリしながら仕事をしていました。

WEB業界へ転職後どう変わったか

DTPオペレーターからWEB業界の仕事に転職して大きく変わったことは以下です。

・タスクが明確に分かれており、作業に集中できる
・時間の融通がきく
・多様性があり、おもしろい人が多い

まあ、職場環境は圧倒的によくなりましたね。まずタスクが明確に分かれているので、自分のやるべきことに集中できます。

印刷の仕事は仕事量が多いので、自分の担当が明確ではありません。そのため、色んな仕事を同時進行でこなさなければなりませんでした。タスクがごちゃごちゃになると、頭の中まで混乱してきますよね。それが毎日続いていました。

いまでは仕事のタスクが明確なので、時間の融通がききやすくなりました。仕事のスケジュールも自分でできるため、休憩や退社時間も自分でコントロールできます。製品に納期こそありますが、時間に融通がきくものがほとんどです。

また、これが最大の特徴ですが、いろんなバックグラウンドを持った人がいるので面白い人が多いです。基本的にいい人ばかりなので、雑談も盛り上がり毎日楽しく過ごすことができています。

DTPからWEBへ転職する方法とは?

DTP業界からWEB業界に転職する方法は、基本的には今持っているスキルを活かすのが最も確実です。では、DTPオペレーターのスキルとは何かというと、以下のようなものです。

・デザインソフトの操作スキル
・デザインスキル
・スケジュール管理能力 ・マルチタスク
・コミュニケーション能力

会社にもよりますが、DTPオペレーターを続けていると上記のようなスキルが身につきます。詳しい説明は割愛しますが、DTPのスキルはWEBに活かせるものがたくさんあります。

では、DTPのスキルを活かして転職するにはどうするかというと、方法は以下のとおりです。 ・デザインスキルを活かす ・WEBの知識を身に着けてDTPスキルと組み合わせる ・WEBスキルを身につける DTPで使うIllustratorやPhotoshopといったデザインソフトは、基本的にもWEBでも使われています。

そのため、デザインスキルが高ければそのままアピールできます。デザインスキルが高ければ、独学でWEBについて少し学べば事足りるでしょう。

ですが、僕のようにデザインスキルがなくてソフトの操作ができるだけのタイプだと転職は相当厳しくなります。 僕の場合は、デザインのセンスがなかったのでWEBマーケやWEBライティングについて学びました。WEBの知識を身につける過程で身についたスキルをアピールすることで転職に成功し、今ではWEBディレクターとして働いています。

僕の場合はデザインセンスがないことでデザイナーになることに早々に見切りをつけました。 デザインスキルが一定以上あればいいですが、自信がない場合は新しくスキルを身につけることが不可欠と言えるでしょう。

DTPからの転職にはWEBデザインがおすすめ

DTPからの転職先にはWEBデザインがおすすめです。 WEBデザインにはDTPと共通していることが多いため、WEBの知識を身につければそのまま転職しやすいと言えます。

その共通点は以下です。

・デザインが平面的
・デザインソフトを使用する
・仕事のスピードが早い

DTPオペレーターとして仕事をしてきたのであれば、使う媒体が紙からWEBに変わっただけなのでWEBデザインの仕事にもすぐ馴染みます。

これがDTPオペレーターからの転職先にWEBデザイナーが向いている理由です。

ですが、DTPだけのスキルではWEBデザイナーになるのは難しいので、新たにWEBのスキルを身につける必要があります。

独学でもいいですが、やはりスクールなどを利用して体系的に学んだほうが効率がいいと言えます。

ちなみに僕はProgateというサービスでウェブデザインを勉強していましたが、肌に合わなかったので早々に諦めて手持ちのスキルで転職しやすかったWEBディレクターに転職しました。

実際に印刷会社からの転職に利用した転職サイト

DTPオペレーターがWEB業界の転職に有利ということがわかっていただけたところで、僕が実際に利用したサイトを紹介します。

僕は今までに5回ほど転職していて大手の転職サイトすべてで内定を獲得したことがあるので、不本意ながら転職サイトの使い方には精通しています。それを踏まえておすすめのサイトを厳選してみました。

どのサイトにもメリット・デメリットがあるのでそれぞれ比較して参考にしてみてください。

ウズキャリIT

ウズキャリITは、ITエンジニアやWEBデザイナーの求人に特化しており、印刷業界からの転職でも通用する求人が豊富です。

また、未経験からのIT転職を支援してくれる頼もしいサービスを提供しています。

Adobe系のソフトを使えれば、WEBデザイナーへの転職は比較的容易です。 WEB業界は基本的に人手不足なのでポテンシャルに期待されて採用される可能性が高いのが特徴です。

実際、僕もそこまでスキルのある方ではありませんでしたが、現在はWEBディレクターの仕事をしているので、制作現場での実務経験があればWEB系の制作現場でも十分に通用する可能性があります。

特にWEBディレクターやWEBマーケティングなどの職業はコミュニケーション能力が重視される傾向にあります。 スキルが無いからと言って諦めずに、まずはキャリアアドバイザーに相談してみるといいでしょう。

【メリット】

  • WEB・IT系の未経験者採用に特化している
  • ブラック企業を排除している
  • 学習コンテンツが充実している
【デメリット】

  • 29歳までの年齢制限がある
  • 大手と比べると求人数が少ない
  • 登録手続が面倒
 

30代でも諦めたくない人は「ウズウズカレッジ CCNAコース」へ

「ウズウズカレッジ CCNAコース」は未経験からインフラエンジニアを目指せるITスクールです。

インフラエンジニアとはネットワークやサーバといったITに欠かせない裏側のシステムを作る仕事で、DX(デジタルトランスフォーメーション)や5Gの普及が進むこれからの時代に欠かせない仕事です。

WEBデザインのような華やかさはありませんが知識と厳密な仕事が求められるため、ミスの許されない正確さや迅速な判断力を求められる印刷業界出身者に向いている仕事と言えます

スモールステップで確実に知識とスキルを身につけられるうえに、資格取得を目指すことができるので安心です。

ITスクールなので残念ながら無料ではありませんが、未経験からIT業界を目指したい人にとってはおすすめできるサービスです。

「ウズウズカレッジCCNAコース」はこちらから

DODA

DODAは年収が高い求人が多く、求人数が多いのも特徴です。

僕自身、一番使用頻度が高い求人サイトで、過去に2社、dodaから応募した会社から内定をもらっています。

求人ページの情報が充実していてテキストも読みやすいので、会社の雰囲気や仕事内容について個人的には一番わかりやすいサイトだと思っています。

オシャレな雰囲気の求人が多く、実際面接に行ってみると本当にオシャレな会社が多いです。

クリエイティブな環境で働きたい人にはおすすめですね。

【メリット】

  • 年収が高い求人が多い
  • レベルが高い仕事が多い
  • エージェントがマメに連絡をくれる
  • 積極的に面接などのサポートをしてくれる
【デメリット】

  • 自分のレベルに合わないハイレベルな求人を紹介されることがある
  • 電話の連絡が多めでめんどくさい
  • メールが地味に使いづらい

リクナビNEXT

言わずとしれたリクルートが運営している転職サイトですね。

大手の求人が多く、サイト内のコンテンツも充実しているので、転職の役に立つことは間違いありません。

求人数も非常に豊富で、ときどきすごくマイナーで優良な求人も出ていたりするので、欠かさずチェックしていました。

個人的には一番多く出版系の求人が掲載されている印象がありますね。実際リクナビ経由で出版社の面接に3回ほど行きました。

【メリット】

  • 求人数が多い
  • 出版系の求人が多い
  • 年収高めの求人が多い
【デメリット】

  • 基本的にサポートがない
  • たまになかなかのブラック求人がある

まとめ:WEB業界への転職は主体的に動く必要がある

今回はDTPオペレーターからWEB業界への転職についてまとめてみました。

個人的には印刷会社にいた頃は地獄でしかなかったので、できるだけ多くの人が印刷会社から脱出してほしいと思っています。

印刷会社のすべてが悪いとは思っていませんが、自分の会社はどっかおかしいぞって感じる人は体壊したりメンタルやられる前に脱出してくださいね。

この記事を参考に、よりよいキャリアが築けることを願っています。

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